忘れられない映画: 『皆殺しのバラッド――メキシコ麻薬戦争の光と闇』(2015)

URL: https://eiga.com/movie/81495/

チラシ(上の原本): https://eiga-chirashi.jp/150317/150317000017.pdf

最近ほとんど映画は見ていなくて、『オッペンハイマー』は行こうかなと思っている。行けるかどうか体調を見ているうちに上映期間がなくなってしまうのが常。

これは 2021年、ペットを亡くした頃に見た凄惨な麻薬戦争の映画で、メキシコはフアレスという街のドキュメンタリー。公開は2015年。今頃書いているけど、映画評などをここに記すには気持ちの余裕がなかった。

フアレスのすぐ向こうは平和なアメリカで、耐えかねてそちらに移民して行く市民も描かれていたと記憶している。警察まで脅され殺されてしまうので機能していない。マフィアのボルテージは上がる。麻薬組織とつながって、それを礼賛するバンドが”ナルココリード”という歌を歌って盛り上げる。コリードとはバラード。

今年の地震で、自分よりもっと大変な人たちが「(避難先から)ふるさとに帰りたい」とか「ここを離れたくない」というのを辛く聞いて思いだしたのだけど、わたしは家族と関係が悪化していたことがあって、何とか縁を切って都会に逃げられないかと思ったことがあった。だけどなかなか生まれ育った街にもう帰らないという決心ができなかった。2016年とか17年頃、仕事が長い不調に入った頃だ。

だから映画でメキシコ人市民たちの語る言葉は普遍的なものとしてよく分かった。スペイン語通訳翻訳者の吉田理加さんがお勧めしていて、社会人博士課程を経て大学教員になられた。

メキシコ人の言葉とは、例えばこんな警官の独白だ。

「 アメリカに住もうと恋人と話している

”エルパソに引っ越そう”とね

危険で不安なフアレスに彼女は住みたくないんだ

将来は2人で家庭を持ちたい

大きな決断だ 」

そしてこれ。全部同じ人の語りだったはず。

「私は自分が育った時代の

フアレスが懐かしい

戻れるだろうか

どこが限界なのか

なぜ続けるのか

それでもここにいる

愛するフアレスに」

スペイン語映画はマイナーだと借りにくいので。見るならAmazonなど配信がいいかも。2年ちょっと前はTSUTAYAディスカスで借りられたんだが。

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