聴講記: 「徳田秋聲の先進性~生誕150年を終えて~」 (2023/02/19、徳田秋聲記念館学芸員・薮田由梨さん、金沢市尾張町老舗交流館)

URL: https://owarichoshinise.com/blog/?kawara=%e8%97%aa%e7%94%b0%e3%81%95%e3%82%93-%e5%be%b3%e7%94%b0%e7%a7%8b%e8%81%b2%e6%96%87%e5%ad%a6%e3%81%ae%e7%a5%9e%e9%ab%84%e3%81%ab%e8%bf%ab%e3%82%8b

レジュメ見つからなくて、あやふやな部分あるけど見切り発車する。後で見つかりますように。尾張町は前田利家の故郷から付いたとかバスの中で案内している。徳田秋聲は金沢三文豪のひとり。

秋聲のことははよく読みもしないのに、記念館で展示見たとかわたしはうるさく書いてきた。やっとこの講演のこと書けてよかった、先延ばしにしてきたので。作品は文庫で『黴』(レビューらしきもの)、次『足迹』の予定。

2019年に秋聲記念館に行くようになって、いまはその前からの犀星入れて、三文豪記念館を回っている感じ。薮田さんは先に文章で知った。2015年の近代文学館で、もと中也記念館学芸員だったことから、金沢に縁のある中也について文を寄せていた。中也が学生のときから好きなわたしは、すごい、印象的とお名前をメモったのだった(リンク、アカウント作れば鍵開けます)。

冬は雪こそ大したことがなかったが、あとで分かったには調子イマイチで、いろんなことがうまく回らなかった。この講演に早めに行って迷ってたどりつけたのはラッキーだった。コロナ前以来お久しぶりだったそうで、それもラッキーだった。こぢんまりとした民家のようでフレンドリーで、みかんでも出てきそうな雰囲気の建物。20人くらいでお話聞いた。

ここにもリンクしてあるブログ「寸々語」は薮田さんの筆だろうと思っていて、適度にクスッとさせながら読ませる。

先にお話の結論部分を書くと、こんな素晴らしい(川端もベタ褒め)作家の本がなぜ現在数冊しか売ってないのだろうか、という叫びのようなものと、もうひとつは「中也は歌うのに、秋聲は歌わない。この2人を両方置いとくとバランスがいいんです」。「中也が歌う」というのはよくわかる。感情のまま書いているようで、実は計算されているんだろうけど彼の歌は伝染る。だからこの2つの文学館なんだと納得した。熱い講演だった。普段のお仕事中対応していただくことがあっただけに、こんなに力説されるところを見たことがなかった。

それで、テーマの「先進性」とは。2021年の末、生誕150周年記念の朗読劇になった『赤い花』は、ダンスホールに勤めるダンサーへの偏見が主題のひとつ。風俗業みたいに思われていたそう。(作品は全集にしかないと知って買おうとしていたら、八木書店で全集が絶版になって(でも今までの書店と違い潰れない)古本で買いまだ読めてない)。ダンサーとダンスホールの客が恋に落ち、お互いのことを考えすぎた結果……という物語と理解した。劇にはだいぶお金もかかったしなかなか何度も上演できないとおっしゃってた。オーケストラアンサンブル金沢の伴奏付きの劇になっていて、劇用に脚本書かれたと。あれは見ておいてよかった、劇とは、特に朗読劇とはいいもんだと思えた。原作は調べると劇と違いがあるそうだけど、読んだらまた劇のこと書こうとは思っている。時間は経ったが。

実際秋聲の先進的エピソードでよく記憶に残っているのは、芸者たちを集めて身の上相談会をやったそう。どうして今の仕事になったの、とか質問すると、家族のため仕送りしている、とか。「寸々語」によると、子供のときから秋聲はひがし茶屋街に出入りしていたそう。どこで聞いたのか、この時だったか、晩年、交際相手の関係で茶屋に座って店番していたとか。

老舗交流館の今年の講演チラシあるはずなのでまた見てこよう。楽しかった。昨年度は前田の殿様も面白そうだった。

わたしは5月行きそびれたのだが、↓こういう催し「秋聲とお座敷あそび」をすでに何回もやっていた。天候不順で調子おかしくてキャンセルしたけど残念。金沢に限らず芸妓さんを直に見たことなくて、前にやはり文学館絡みで三味線流し(栃内流し)を見て聴いて面白かったし、こういうのも知ってみたいなと。

イベント報告ブログです。

聴講記: 「徳田秋聲の先進性~生誕150年を終えて~」 (2023/02/19、徳田秋聲記念館学芸員・薮田由梨さん、金沢市尾張町老舗交流館)” への1件のフィードバック

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください